SAGE 1-StepTM GM-CSFはサイトカインを含有する培養液です。体外受精を希望される方の20％は流産を経験されているといわれています。流産の原因を突き止めることは容易ではありませんが、妊娠第12週までの早期流産は受精卵と子宮内膜の相互作用に関係すると考えられており、受精卵と母体の情報伝達物質であるサイトカインの欠乏やそのバランスの異常が要因の一つと考えられています。サイトカインの１つであるGM-CSFは胚盤胞形成期においては細胞のアポトーシス(自死)を抑制し、着床時や妊娠初期においては免疫応答を抑制して妊娠を維持するのに寄与していると考えられています。海外の数百症例を対象にした研究では、流産経験がある人は、ない人に比べて妊娠中の血中GM-CSF濃度が低いことがわかっています。また国内外でのクリニックにおいては、GM-CSF入りの培養液を使用して流産率が下がったとの報告があります。

上記の通り、SAGE 1-StepTM GM-CSFは流産の回避を期待出来る培養液となっています。当院では流産経験のある方に対する治療オプションとしてSAGE 1-StepTM GM-CSFによる胚培養と胚移植を用意しています。

SAGE 1-StepTM GM-CSFは保険診療では認められていない培養液のため、使用する場合は採卵から胚移植まで全て自由診療となります。